こぅ寒くっちゃ百栄の「二番煎じ」でも聞かなくっちゃ体がもたねぇや。
それとも寒いついでに百栄の「鰍沢」でもって冬遊びときめこんでまぁるくなっちまおうか。
ちょいと待っつくれ。きゃつはそんな噺ゃやらねえなぁ。
おきゃあがれっ!時節のネタがなくって真打もねぇもんだ。
しゃあねぇや。百栄の「夢金」聞いてフグリ握って寝ちまおう。
えっ?…あ、それも持ってないってさ。
じゃ…またいつものヤツかい。
冗談言っちゃ…でも待てよ。
寒い夜に物陰から飛び出すあの噺を聞いちゃあなんだかよっぽど物悲しいや
四日目にゃ西洋にならって贈り物だって普段よっか多めにアレを投げてくるのかしらん?
寒空の下に鳴き声あげるあの仔たちゃ春がさぞ待ち遠しかろうに…
…なんでえ…ちゃぁんと冬の噺あるじゃねぇか